スタンダード;GPオーランドとSCGオープンLAに向けて(翻訳記事)
翻訳というより理解できた部分だけを意訳したものですが、どうか宜しくお願いします。
信じがたいことに、近年まれに見るほどに現在のスタンダード環境はダイナミックに動いている。新しい環境になってからすでに4ヶ月が経過しているというのにもかかわらず、未だにメタは変化し続けている。現在アーキタイプは11種にわけられ、さらにそれが無数に分岐している。アグロ、ランプ、コントロール、アグロ・コントロールがバランス良く存在し、なんと黒コンさえ見られるほどだ。
SCGオープン・アトランタのTop16が、スタンに与えた影響を見てみよう
青白Delver 4
ケッシグ 3
青白人間 2
イリュージョン 1
グリクシス 1
エスパーコン 1
鍛えられた鋼 1
純鋼の聖騎士 1
青黒感染 1
黒コン 1
青白Delverというのは、メタの進化の結果、イリュージョン部族を装備品におきかえたものだ。装備品としては、赤白剣も使われるのだが、メジャーなのはルーン唱えの長槍だ。そう、スタンダードで最もポピュラーなデッキが使用するのは長槍なのだ。
これが現在のメタゲームだ
アーキタイプ 昨年12月 SCGアトランタ 予想メタ
Delver 19.3 31.3 23.3
ウルフラン 21.1 18.8 20.3
青白人間 12.1 12.5 12.2
非白系コントロール 11.4 6.3 9.7
白系コントロール 9.3 6.3 8.3
感染 3.8 12.5 6.7
赤アグロ 9.5 0 6.3
鍛えられた鋼 5.9 6.3 6.0
緑白トークン 5.3 0 3.5
純鋼の聖騎士 1.0 6.3 2.8
出産の殻 1.5 0 1.0
青白Delver(と、感染を取り込んだもの)が最大の勝ち組だ。赤単は今は斜陽、かつて現環境でベストと思われていた緑白トークンはすでに使い物にならないと判断を下された。緑白は大幅なデザイン変更(または闇の隆盛の到来)が必要だ。
太陽拳も殆ど見られなくなり、グリクシスや青黒コンが結果を残すようになっている。そのため、青/Xコントロール対太陽拳という構図をノン・ホワイトコントロール(グリクシス、青黒など)対ホワイトコントロール(太陽拳、エスパーなど)と置き換えた。
これらの違いとしては、ホワイトコントロールは審判の日、忘却の輪、援軍などを用いる点で似通っているのに対して、ノン・ホワイトコントロールはこれらの代わりに黒や赤を有効活用する形となっている。
おおま� ��なアーキタイプ毎にメタをまとめると、こうだ
ムーアランド 44.3%
ウルフラン 20.3%
コントロール 18.0%
その他 17.5%
*その他・・・感染、赤単、緑白、殻など
オーランドに向けてプランを練る前に、先週の反省をしよう
青白Delverとはイリュージョンや青白ブレードの不肖の子だ。イリュージョンもいるにはいるのだが、ここはイリュージョンなしの型を見てみよう。まずはかつての世界チャンピオンのデッキだ。
・Delverブレード byCharles Gindy(SCGアトランタ1位)
<クリーチャー 16>
4 秘密を掘り下げる者
3 不可視の忍び寄り
2 マーフォークの物あさり
4 瞬唱の魔道士
3 聖トラフトの霊
本当のstは誰であった。
<アーティファクト 4>
2 ルーン唱えの長槍
2 戦争と平和の剣
<スペル 19>
2 はらわた撃ち
4 マナ漏出
2 深夜の出没
4 蒸気のからみつき
3 ギタクシア派の調査
4 思案
<土地 21>
9 島
1 平地
4 氷河の城砦
3 ムーアランドの憑依地
4 金属海の沿岸
<サイドボード>
2 漸増爆弾
2 幻影の像
2 忘却の輪
1 展開の粛正
1 雲散霧消
2 神への捧げもの
1 はらわた撃ち
2 否認
2 機を見た援軍
これは僕のお気に入りの型だ。幻影の像は強力だし、実際サイドにも採用されているんだけど、装備品を付けられないことからミラーマッチで弱く、一軍からは落とされている。熊も同様に解雇された。深夜の出没はイリュージョンですでに市民権を得ていたけど、このデッキでも瞬唱やDelverとすばらしいシナジーを形成している。ルーン唱えの長槍とも2つの意味で相性がいいね(*恐らく装備先の供給と墓地のスペル枚数)
驚くべきことに、物あさりは採用されるに値するポテンシャルを秘めている。このデッキは6枚以上の土地は必要ないし、はらわた撃ちや蒸気のからみつきと言った無駄牌が多いからね。ムーアランドや長槍との相性は言うまでもない。
・青白Delverアグロ by Tyler Winn(SCGアトランタ6位)
<クリーチャー 12>
4 秘密を掘り下げる者
2 不可視の忍び寄り
4 瞬唱の魔道士
2 聖トラフトの霊
<アーティファクト 3>
3 ルーン唱えの長槍
<スペル 19>
1 四肢切断
1 分散
2 雲散霧消
4 はらわた撃ち
4 マナ漏出
2 深夜の出没
4 蒸気のからみつき
4 ギタクシア派の調査
4 思案
<土地 21>
7 島
1 平地
4 氷河の城砦
3 墨蛾の生息地
4 金属海の沿岸
<サイドボード>
2 忘却の輪
2 天界の粛正
1 四肢切断
3 瞬間凍結
2 精神的つまづき
2 否認
3 機を見た援軍
この構築は一位のものと概ね似ているけど、僕としては赤白剣を最低一枚は刺したい。注目したいのは墨蛾の採用だ。非実在の王を使わない分マナベースに余裕があるからね。
・青白Delverアグロ by Alex Wyatt(SCGアトランタ5位)
<クリーチャー 18>
4 秘密を掘り下げる者
4 幻影の熊
4 瞬唱の魔道士
4 磁気の軍団兵
2 聖トラフトの霊
<アーティファクト 1>
1 戦争と平和の剣
<スペル 19>
2 四肢切断
2 はらわた撃ち
4 マナ漏出
2 精神的つまづき
4 蒸気のからみつき
4 ギタクシア派の調査
4 思案
<土地 21>
10 島
3 氷河の城砦
2 ムーアランドの憑依地
4 金属海の沿岸
<サイドボード>
2 呪文滑り
3 幻影の像
2 忘却の輪
3 雲散霧消
2 精神的つまづき
1 心理の障壁
1 機を見た援軍
1 ムーアランドの憑依地
この構築は基本的にはイリュージョンだけど、王や像の代わりに磁気の軍団兵が入っている。イリュージョンはグラッジに弱いデッキではなかったはずだが、長槍、赤白剣、墨蛾、磁気の軍団兵とくるとその限りではない。コントロールも清純のタリスマンや殴打頭蓋を使うことを考えると、メインのグラッジも考えるべきではないだろうか?
"何をナッシュビルでの観光"
どうすれば「ムーアランド・デッキ」に対して優位に立てるのだろうか?それには、殆どのDelverデッキのクリーチャーはタフネスが1で非常に脆いということに注目すべきだ。つまり、たった1ダメージしか与えられないようなカードでさえも採用に値するということだ。もちろんもっとダメージを与えてもいいけど、それはマナの無駄だしね。幸い、非実在の王やミラディンの十字軍をみることは少なくなっている。
赤タイタン、溶岩使い、死の支配の呪い、チャンドラ、オリヴィア、霊炎、夜明けのレインジャー、火花鍛冶、情け知らずのガラク、迫撃鞘、トゲ撃ちの古老、マスティコア、ソリン・マルコフは小型クリーチャーを始末する上ですばらし い解答だ。これらを用いることが、Delverデッキに対して戦略的に優位に立つことにつながる。
電弧の痕跡やその類似品も効果的に見えるが、それは間違いだ。なぜなら、Delverデッキは複数のクリーチャーを並べることは少ないからだ。しかも電弧は聖トラフトにも触れないと言う点で、全体除去カードにも劣る。電孤自体が良いカードなのは間違いないけど、思ったほどのパフォーマンスは発揮してくれない。
非実在の王による全体強化が無く、装備品に頼っていると言うことは、デイジャのような全体除去スペルのパフォーマンスが低下していると言うことだ。依然、デイジャ自体は良いカードではあるんだが。また、すべてのクリーチャーが殺しにかかってくるということでもあるので、装備品に対処する術か、またはすべ� �のクリーチャーを個別に除去する術を身につけなければならない(見落としがちだが、黒呪文爆弾はルーン唱えに対して有効だ)
考えるまでもなく、第一の壁は環境最強のデッキであるDelverだ。これに対処できないとするならば、それは使うデッキを間違っているということである。
ウルフランは他のデッキに比べると、最近はそれほど変化してはいない。上で示したTop16に入ったウルフランが3つの流派に分けられることは驚くべき点である。まずは世界チャンピオンのように業火のタイタンや感電破を用いたウルフランランプ、次に審判の日やエリシュ・ノーン、刃の接合者を用いたウルフランホワイト、そしてダングローブや剣を用いたウルフラングリーンだ。メタが分からない内は、ウルフランランプがベストだろう。
・ケッシグウルフランプ by Dustin Flora(SCGアトランタ3位)
<クリーチャー 14>
1 極楽鳥
4 真面目な身代わり
1 最後のトロール、スラーン
3 業火のタイタン
4 原始のタイタン
1 ワームとぐろエンジン
<アーティファクト 4>
4 太陽の宝球
<スペル 16>
4 感電破
2 小悪魔の遊び
2 緑の太陽の頂点
4 不屈の自然
4 金屑の嵐
<土地 26>
5 森
6 山
4 銅線の地溝
4 墨蛾の生息地
3 ケッシグの狼の地
4 根縛りの岩山
<サイドボード>
1 殴打頭蓋
2 饗宴と飢餓の剣
2 戦争と平和の剣
2 酸のスライム
1 トゲ撃ちの古老
2 古えの遺恨
3 秋の帳
1 内にいる獣
1 最後のトロール、スラーン
次に コントロールを見ていこう。最もポピュラーなノン・ホワイトコントロールのスタイルはグリクシスだ。
・グリクシス・コントロール by Laurence Brown(SCGアトランタ8位)
<クリーチャー 6>
4 瞬唱の魔道士
2 オリヴィア・ヴォルダーレン
<アーティファクト 1>
1 殴打頭蓋
<スペル 27>
3 捨て身の狂乱
2 雲散霧消
3 破滅の刃
4 禁忌の錬金術
3 感電破
1 喉首狙い
4 マナ漏出
1 飢えへの貢ぎ物
2 黒の太陽の頂点
2 金屑の嵐
2 ソリンの復讐
怒りのためにスコットランドの言葉は何ですか
<土地 26>
4 島
2 山
4 沼
1 黒割れの崖
4 闇滑りの岸
3 竜髑髏の山頂
3 水没した地下墓地
1 ステンシアの血の間
4 硫黄の滝
<サイドボード>
3 漸増爆弾
2 呪文滑り
1 ワームとぐろエンジン
2 幻影の像
1 雲散霧消
1 破滅の刃
2 否認
1 解放されたもの、カーン
1 黒の太陽の頂点
1 赤の太陽の頂点
瞬唱、オリヴィアが核となっているのは変わらないが、ワームとぐろエンジンが殴打頭蓋に置き換わっていることに注目したい。これは先駆のゴーレムの抜けたマナカーブを埋めている(先駆のゴーレムはいまではそれほど有効ではない)。赤アグロ、ウルフランのために、赤タイタンはソリン砲になっている。
リリアナを使わないというのには僕も賛成だ。現在は1/1の雑魚が多いからね。奇妙なのは赤マナソースが10枚しかないことだ。彼は黒頂点を使っているけど、金屑の嵐も使っている。ソリン砲を撃つためにある程度のダメージを与えておくのが必要なのは分かるけど、もっと赤マナを安定させることを考えると本当にステンシアの血の間は必要なのだろうか?熟慮が捨て身の狂乱になっているのはJ ansenが作ったソリン砲入りグリクシスから改良された点だね。
青白系コントロールとしては、タリスマンを取り入れたエスパーコンがある。これは太陽拳の欠点であったマナベースの貧弱さを解消していると言える。
・太陽拳 by Michael Braverman(SCGアトランタ7位)
<クリーチャー 4>
1 聖別されたスフィンクス
1 墓所のタイタン
1 瞬唱の魔道士
1 大修道士、エリシュ・ノーン
<プレインズウォーカー 2>
1 エルズペス・ティレル
1 ギデオン・ジュラ
<アーティファクト 4>
1 殴打頭蓋
3 清純のタリスマン
<エンチャント 3>
3 忘却の輪
<スペル 22>
3 雲散霧消
2 破滅の刃
3 禁忌の錬金術
2 喉首狙い
3 マナ漏出
3 熟慮
2 白の太陽の頂点
4 審判の日
<土地 25>
4 島
4 平地
1 沼
2 闇滑りの岸
2 水没した地下墓地
2 幽霊街
4 氷河の城砦
2 孤立した礼拝堂
4 金属海の沿岸
<サイドボード>
1 虚無の呪文爆弾
2 幻影の像
1 忘却の輪
1 青の太陽の頂点
1 天界の粛正
1 雲散霧消
1 神への捧げ物
1 否認
1 解放されたもの、カーン
1 存在の破棄
3 機を見た援軍
1 幽霊街
これは普通の青白コンほどDelverデッキに絶望的というわけではないけれど、2,3,4マナの除去に頼っているところは、まだ少し遅いといえる。これはつまり、他のコントロールやウルフランには強いと言うことなんだが。この構成は僕の好みに比べるとちょっとドローが少ない(錬金術、熟慮に瞬唱を合わせてわずか7枚)。メインデッキへの青頂点の投入を強く考えたいね。
(*どう見ても太陽拳というよりエスパーコンですが、原文でソーラーフレアとなっています)
最後に、他のムーアランドに注目したデッキとして、最もポピュラーな青白人間を見てみよう。
・青白人間 by John Runyon(SCGアトランタ2位)
<クリーチャー 27>
4 教区の勇者
4 宿命の旅人
3 悪鬼の狩人
2 ギデオンの法の番人
4 堂々たる撤廃者
4 刃砦の英雄
4 ミラディンの十字軍
2 聖トラフトの霊
<エンチャント 9>
3 天使の運命
4 清浄の名誉
2 忘却の輪
<土地 24>
1 島
12 平地
4 氷河の城砦
3 ムーアランドの憑依地
4 金属海の沿岸
<サイドボード>
1 迫撃鞘
2 戦争と平和の剣
1 天界の粛正
2 四肢切断
3 マナ漏出
2 否認
4 機を見た援軍
ギデオンの法の番人と悪鬼の狩人が再び流行ってきたことを除けば、人間デッキは大した変化はない。このデッキは良いデッキだけど、目新しいものはないね。こういう相手を潰すベストな方法は、トラフト、ミラクル、白英雄、天使の運命に対しての対処法を多く持った上でタイタンやスフィンクス、オリヴィアのようなフィニッシャーでとどめをさすことだ。
もうひとつ、16位入賞の中で僕が触れたいデッキが黒単コントロールだ。感染と黒単コントロールは関係が深く、ともに急上昇してきたアーキタイプだ。いずれもコントロールに弱いんだけど、もう一つの弱点である白緑トークンは既に絶滅寸前だからね。
・黒単コントロール by Manny Orellana(SCGアトランタ16位)
<クリーチャー 14>
3 呪詛の寄生虫
4 呪文滑り
1 ワームとぐろエンジン
3 ファイレクシアの十字軍
3 ファイレクシアの抹消者
<アーティファクト 5>
3 鞭打ち悶え
2 漸増爆弾
<プレインズウォーカー 4>
1 解放されたもの、カーン
3 ヴェールのリリアナ
<スペル 13>
3 ゲスの評決
3 夜の犠牲
3 悪性の傷
1 黒の太陽の頂点
3 蔑み
<土地 25>
22 沼
3 墨蛾の生息地
<サイドボード>
3 ミミックの大桶
2 漸増爆弾
4 攻撃的な行動
2 外科的摘出
1 黒の太陽の頂点
3 幽霊街
Orellanaはすぐ死んでしまう疫病のとげ刺しや囁く死霊を解雇し、抹消者、呪詛の寄生虫、呪文滑り、ワームとぐろエンジンを採用した。毒殺に専念したものではなくなったけど、デッキパワーは大きく向上したね。リリアナ、十字軍、抹消者、ワーム、カーンと言った環境のパワーカードに加え、寄生虫、呪文滑り、漸増爆弾、蔑みといった遅いデッキに対しての汎用性の高い抑止力も備えている。悪性の傷、評決、夜の犠牲をはじめとする除去呪文が、パワーカードを叩きつけるまでの時間を稼いでくれる。
この黒単コントロールは、かつてのタップアウト・ブルーに少し似ているね。カウンターで凌ぐことの代わりに単純に除去をすることでパワーカードをプレイするまでの時間を稼ぐというものだ。
(以下 略)
by 革新者、パトリック・チャピン
自分でthe innovatorなどと名乗るあたり、流石捨て身の狂乱や先駆のゴーレムを第一線に持ち込んだ変態(褒め言葉)チャピンです。
公式の津村さんの記事でも長槍の有効性について述べられていましたね。それだけでなく、チャピンも述べるとおり現環境の有力なデッキはいずれも何らかの強力なアーティファクトを使用しています。ダークアセンション導入後は分かりませんが、しばらくはメイングラッジ、漸増爆弾での装備品対策は欠かせないものとなるでしょうね。メイン粉砕さえあり得たCaw−blade時代を思い出します。
黒コンが結果を残しているのは驚きましたが、Finals直前予選にもジャンドコントロール(notダークケッシグ)で結果を残している人もいましたし、ビートの強い環境なのでこういう除去コンもアリなのかも� �れません。今使っているダークケッシグもそういう方向にチューンしてみようかな。
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