猫たぬきの、気ままカフェでのんきにお茶を。: いつか、どこかで、逢ったことがある、という記憶。: So-netブログ
いつか、どこかで、逢ったことがある、という記憶。 [日々思うこと] [編集]
「どこかでお逢いしたことがありませんか?」
外国映画で、キザな男が女性を口説くシーンに出てきそうなセリフですな・・・(笑)
どうもいらっしゃいまし。
新茶の季節ですね。お茶を一杯、いかがですか?
お久しぶりの更新になります。
前回から半月以上経ってる? う~ん、毎日更新していた昔が懐かしい・・・(--)
今回は、記憶の不思議について書きたいと思います。愛バナでもなく、演劇のお話でもなく、記憶にまつわるオハナシ・・・。どうもね、最近、頭から離れないことがあるのですよ。本日のお題「どこかでお逢いしたことがありませんか? と、尋ねてみたい人」です。 さてさて。上記の口説き文句のようなセリフですが。
今、このセリフを言ってみたい人がいます。しかし残念ながら、その方は、すでにこの世の人ではありません。
「石田徹也」氏という画家をご存知でしょうか? 作品をご存知の方は多いかもしれませんね。
先月の話になります。
静岡の劇団の人と知り合いになって、最近、行動をご一緒させていただくことが多い。
劇団の役者さんの中で、絵をお描きになる人がいて、絵画コンクールで賞を取った絵が展示されるということで、静岡にある美術館へ、劇団の方々数名と見に行きました。
彼の描く絵は、観る者の想像力をかきたてる、不思議な絵でした。
私は好きだなぁ・・・♪ こういう絵(^^)
私はディズニーチャンネルの仕事を得ることができます
で、美術館を出るときに、一枚の絵に気付きました。
誰かが、「あ、この絵、知ってる」と言って絵に近づき、私もそれにつられて観てました。
それが、石田徹也氏の作品。「飛べなくなった人」です。
石田氏は、焼津市出身の画家で、2005年に事故で亡くなられたと、記されていました。
作品は、シュールレアリズム・・・というのでしょうか?(絵はあまり詳しくないのですが) 不思議な、それでいて観るものに訴えかけるような、そんな絵です。石田氏のホームページで作品が公開されているので、興味のある方は名前で検索してみてください。
その時は、「不思議な絵を描く人だなぁ・・・でも訴えかける力はすごいなぁ」と思うだけだったのですが、それから今まで、どうもこうも、スッキリしない。
何でしょうね? 体の内部が痒いというか、ムズムズする・・・という感じ。
何か、引っかかる。
何か、知っている。
でも、何を???
・・・こういうことって、ありませんか?
私は、どこか直感というか、インスピレーションで生きている、といったところがある。
殿との出逢いも、再会も、すべて偶然が重なって、必然となった。(・・・ノロケ?)
今までの人生を振り返っても、よくよく考えてから動くよりも、直感、インスピレーションで動く方が、上手くいくことが多い。だからなのか、「引っかかる」ことをほったらかしにするのが苦手で。とりあえず、自分が納得しないと嫌なのね。
いくつかインターネットで「石田徹也」氏の名前で検索して、石田氏の顔写真を拝見した。
石田氏は、主に東京で活動されていたらしい。
私は、数年前、東京近郊で暮らしていた。
シナリオの学校へ通い、バーテンダー見習いとして、銀座で働いていたこともある。
おそらく、この時期のどこかで、石田氏に逢っている、と思う。
いや、もちろん、知り合いと呼べるほど深いものではなく、通りすがりのような、ほんのひとことふたこと言葉を交わした記憶がある、というものである。
そう、あなたがトップ20踊ることができると思います
しかし、「どこで」かも、「何の会話を交わした」のかも、覚えてない。
私は絵に詳しくないので、石田氏が画家であることを知らなかったと思う。美術館へ行った記憶もないし、個展を観た記憶もない。(作品も、今回初めて知ったのだから)
考えられるのは、銀座の店でバーテンダー見習いをしていたとき、偶然お客さまとして来られて、そのとき何か会話を交わしたのかもしれない。(銀座は画廊が多いし、絵の個展もしょっちゅうどこかで開催されていたと記憶しているので)
もしかしたら、当時住んでいたアパートの同じ住人であったかもしれない。階段ですれ違ったりしたときに、何か会話を交わしたのかもしれない。
可能性は低いが、街中かどこかで、偶然、石田氏に道を尋ねたのかもしれない。
確かに、どこかで逢っている。会話を交わしている。・・・と、感じる。
だから「どこかでお逢いしたことがありませんか?」と思うのだ。
「テレビで観たんじゃないの?」と人に言われたが、それは違うと感じている。思う・・・ではなく、感じる。そう、直感で違うと感じるのだ。こちらが一方的にお見かけしただけであったら、「逢った」と記憶しているわけはないと思うし。だけど「思い出せない」というのは、実は違う記憶と混同しているのか? 石田氏と似た誰かと間違えて記憶しているのか? 定かではないが。
・・・それが何なの?と思われるような小さなことだけど、おそらくそのひとことふたことの会話の中で、私の心に響く何かがあったのかもしれない。だからそんな「通りすがり」的なことでも、石田氏の顔を記憶しているのではないだろうか?と思う。
鮮明に記憶してはいないが、どこか感じている、のである。
でも、こういう記憶の曖昧さというのは、誰しも経験があるのではないでしょうかね?
私も初対面の人に「お逢いしたことありますよね?」と言われた経験ありますし。で、相手よりもまず自分の記憶を疑うわけで。「初対面だと思うけど、もしかして、私が忘れてるだけか? でも逢ったことないよね?ね?」と、オタオタうろたえる挙動不審な奴になる(笑)
記憶というのは、本当に摩訶不思議だと思う。
ここで、iは1812序曲を聴くことができます
例えば、私は「イチゴ嫌い」である。誰に聞いても、「イチゴが嫌いなんて、めずらし~い」と言われる。だから、ケーキの定番「イチゴのショートケーキ」を食べたことがない。
しかも、「理由なく嫌い」なのである。
果物で、他にも嫌いなものはある。殿の大好物である「グレープフルーツ」も嫌いなのだ。理由は「果物なのに苦いから」である。「好き」に理由はいらないかもしれないが、「嫌い」になる理由は存在する。だけど、イチゴにだけは、嫌いな理由が存在しない。
イチゴを見ると、頭の中に浮かぶ光景がある。
母親と弟が、イチゴミルク(イチゴに砂糖と牛乳(もしくは練乳)をかけたもの)を美味しそうに食べている。その横で私は嫌~な顔をしているのである。
私がいつからイチゴを食べられなくなったのか? 誰も知らない。
母に聞いても、「アンタは昔からイチゴは食べんかった」と言う。
しかし、幼稚園の遠足で、イチゴ狩りをしている写真は存在するのである。イチゴを持って嬉しそうに笑っている幼少のワタシが存在するのに、誰も私がイチゴを嫌いになった理由を知らない。自分のことなのに、覚えてもない。
なのに、イチゴを見ると思い出す光景がある。
これって、何なのだろう?
記憶って、実に不思議だ。
もうひとつ、記憶の不思議を証明するエピソードがある。
独身時代、勤めていた会社の嫌~な上司との再会である。
会社を辞め、結婚して姫路に住んでいた頃、本屋かどこかで、何年ぶりかでこの上司に会った。
上司は、懐かしそうに「久しぶりやなぁ!! 元気しとったか!!」と親しげに話しかけてきたのだが、私は「どちら様ですか?」というような不思議そうな顔で相手を見たのだ。(実際、「誰やねん?」と思ったし)上司は、私に向かって挙げた手を、所在なげに引っ込め、そのままエスカレーターに乗ってそそくさと行ってしまった。そのとき、私の方をチラッと振り返った上司を顔を、かすかに思い出した。「もしや・・・?」
家に帰って、名刺(写真の顔付き)を探し出して、「あ~!!」と一人叫んだのを覚えている。
この上司はとんでもなく嫌な性格の持ち主で、嫌がらせされたエピソードはポンポン出てくるのに、辞表を出して会社を辞めた瞬間に、この上司の顔を記憶の中から消去していたのだ。(何て器用なワタシ・・・)
人間の記憶力には限りがある。
年を重ねるごとに、記憶の量は増えていく。だから、容量が一杯になったら、いらないものから消去していく。「いるもの」「いらないもの」をどうやって選別しているのかはわからないが、人の記憶って、不思議なものだなぁ・・・とつくづく思う。
何年も同じ空間の中で机を並べて仕事をしていた上司の顔はキレイサッパリ忘れていたのに、ほんのひとことふたこと言葉を交わしたかもしれない石田氏の顔は、記憶のどこかに留まっている。
記憶というのは、「時間の長さ」ではなく、「心地良さ」で選別しているのかもしれない。
「どこかでお逢いしたことはありませんか?」・・・というセリフ。
初対面の人を口説くキザなセリフとして使われることが多いけれど、気になって仕方ないなら、声に出して聞いてみる方がいいのかもしれない。
人間の記憶は、どこかでバランスを取っていて、「この人ともう一度逢いたい」「もう一度話したい」と、心が願う人の顔を、頭のどこかに刻み込んでいるからこそ、このセリフが出てくるのだと思うから、である。
それではお茶にいたしましょう。
新茶の季節ですが、我が家にはまだ新茶がない!!
のんびりとお茶を買いに行く時間がない。(少し前のワタシからは、想像も出来ないセリフだ・・・)
なので、春に買ったお茶の残りをいただきましょう。保存が良いので香りはまだまだ生きてます。
お土産でいただいた、「丹波の黒豆ぐらっせ」(←食べるの初めてですが、とーっても美味しい!!)をお供に。お手前でゆっくりと煎茶をいただきましょう。
それではまた次回、お逢いしましょう・・・♪
0 コメント:
コメントを投稿